当サイトではスマホのスペック表には以下の項目を記載しています。
- 【基本情報】
- OS
- CPU
- メモリ(RAM)
- ストレージ(ROM)
- カメラ
- スピーカー
- 【ディスプレイ関連】
- 画面解像度
- パネルの種類
- 【ネットワーク関連】
- 5G
- 無線LAN(Wi-Fi)
- Bluetooth
- バンド(周波数)
- 【SIM関連】
- デュアルSIM
- eSIM(イーシム)
- nanoSIM(ナノシム)
- 【付帯機能】
- 充電端子
- おサイフケータイ(FeliCa)
- 認証機能
- 防水
- 防塵
- MIL規格
- センサー
それぞれどう確認すればいいのか、また機種変更時のおすすめの選び方についても併せて解説します。
基本性能
まずは最低限押さえておくべきスマホの基本性能について、解説します。
OS
「OS」(Operating System)とは、スマートフォンやパソコンの基本動作を司る、人間で言う脳みその部分です。
スマホ画面をタップしてアプリを起動したり、キーボードを使って文字を入力したりする機能は、この「OS」があるおかげで実現されています。
スマホのOSには複数の種類がありますが、Appleの「iOS」とGoogleの「Android OS」が主流。
iOSはiPhone専用で、AndroidはGalaxyやAQUOSなど様々なメーカーで採用されている規格。 iPhoneはシンプルな設計でスマホ初心者向け、Androidはカスタマイズ性が高いため、中級者向け。
CPU
「CPU」とは、スマートフォンやパソコンの基本動作を司る部分で、OS同様、人間で言う脳みその役割を果たします。
CPUの性能が高ければ高いほど、アプリの動作や動画の閲覧などのデータ処理が速くなり、「サクサク動作」が実現されます。
最新のスマートフォンでは、「オクタコア(8コア)」と呼ばれるCPUが多く採用されています。
メモリ(RAM)
「メモリ(RAM)」とは、一時的にデータを保存する役割があり、数値が大きいほど複数のアプリを併用しながらでもサクサク使えます。
CPU性能が高くても、RAMの容量が少ないと、例えばウーバーイーツ配達でナビを使いながら配達アプリを併用すると、双方の動作が遅くなってしまいます。
アプリの高性能化により、必要なRAMの容量は年々増加していますが、2024年現在では最低4GB以上のRAMを搭載したスマホであれば快適に使えます。
iPhoneはRAMの容量の記載がありませんが、自社に最適化されたアプリしか提供していないため、近年(直近3年程度)販売されているiPhoneであればどの機種もサクサク使えます。
ストレージ(ROM)
「ROM(Read-Only Memory)」とは、データを持続的に保管でき、写真や動画、アプリの保存に使用されます。
ROMも容量が大きければ、たくさんのデータを保管できますが、その分価格も高くなります。
近年はiCloudやGoogleドライブなどのオンラインサービスも普及しているため、ROMの容量については最低限の容量でも十分使えます。
スマートフォンを選ぶ際には、最低でも128GB以上のROMを搭載した機種を選ぶと安心です。
カメラ
スマホのカメラ性能については「画素数」「F値」「レンズの枚数」「ズーム(望遠)性能」の4つの機能があります。
画素数(メガピクセル)
画素数が高いほど、きめ細かくキレイな写真が撮れます。 前面(フロント)側は1,000万画素以上、背面は4,800万画素以上あれば十分です。
F値(絞り具合)
F値とは、光を通る光の量を調整する機構のことです。 F値については、数値が小さいほど、多くの光を取り込み、多彩な撮影ができます。
レンズの枚数
近距離から風景や夜景を撮影するには、広角・望遠を搭載した2枚レンズを搭載したスマホがおすすめです。 こだわりがあれば、超広角レンズも搭載した3枚レンズがあります。
ズーム性能
デジタルズーム: 画像の一部を拡大しますが、画質が荒くなります。
光学ズーム
レンズを動かして物理的にフォーカスするため、画質の劣化が少ないです。
また、手ぶれ補正機能やAIカメラを搭載したスマホも最近では充実しています。
スピーカー
スマートフォンのスピーカーにはモノラルとステレオの2種類があります。
モノラル
モノラルはスピーカーが1つだけ搭載されています。 音は一方向から出るため、音質や音量の質が悪くなってしまいます。
ステレオ
ステレオは2つのスピーカーが搭載されています。 左右から音が出るため、臨場感のある音楽や映画を楽しめます。
iPhone含め、一部のハイスペックなスマートフォンでは、「ドルビーアトモス(Dolby Atmos)」と呼ばれる技術を採用しており、より臨場感のある音質を楽しめます。
ディスプレイ関連
画面解像度
画面解像度とは、ディスプレイに表示される縦横のドット数を指します。
スマートフォンのスペック表にある数字(例: 1280×720(HD) や 1920×1080(FHD))は、この縦横のドットの数であり、画面解像度を表しています。
一般的なスマートフォンの解像度は以下の4種類があります。
- HD (High definition): 720p (1280×720)
- FHD (Full HD): 1080p (1920×1080)
- QHD (Quad HD): 1440p (2560×1440)
- UHD (Ultra HD, 4K): 2160p (3840×2160)
解像度は数値が高いほど、画面の美しさや繊細さが高く高画質。画質を重視する方は最低でもフルHD以上の画面解像度を選ぶのがおすすめ。
パネルの種類
スマートフォンのディスプレイは、主に「有機ELディスプレイ」と「液晶ディスプレイ」2つの種類あります。
有機ELディスプレイ (OLED・AMOLED)
画面自体が発光するため、黒色の色味が深くなり、色のコントラストがはっきりします。
視野角が広く、バックライトが不要なため薄く軽量ですが、製造コストが高いのが欠点です。
液晶ディスプレイ (LCD・IPS・IGZO・TFT)
明るい環境でも見やすく、製造コストが安いのが特徴ですが、視野角が有機ELより狭いのが欠点です。
液晶の種類によって色の表現差が大きいのも従来の液晶ディスプレイの特徴です。
リフレッシュレート
リフレッシュレートとは、1秒間に画面を書き換える回数を表す値。単位はHz(ヘルツ)。数値が大きいほど、画面が滑らかに動くため、FPSなどゲーム利用では重要な部分。
- 60Hz
- 90Hz
- 120Hz
- 144Hz
- 165Hz
- 180Hz
- 240Hz
スマホのディスプレイにおいての主流は60hz~120Hz。ハイスペックスマホでは60hz~120hzで状況に応じて自動的に調整する機能もある(可変リフレッシュレートという)
ネットワーク関連
5G
5Gは4Gの最大20倍の通信速度を提供する最新の通信規格です。
遅延についても、従来の4Gよりも10分の1少なく、4Kや8Kの高画質でも高速でダウンロードできます。
無線LAN(Wi-Fi)
Wi-Fiの周波数には2.4GHzと5GHzの2種類がある。2.4GHz帯は障害物に強く、5GHz帯は通信速度が速いのがそれぞれの特徴。
Wi-Fi規格については以下の3種類がある。
Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)
2.4GHz帯と5GHz帯、6GHz帯の3種類を利用できる最新の規格。従来のWi-Fi 6(6E)と比べて3.7倍高速通信で使える。2024年5月より標準化。
Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)
2.4GHz帯と5GHz帯の両方を利用できます。最大通信速度は理論値で9.6Gbps (5GHz)と2401Mbps (2.4GHz)です。
Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)
5GHz帯のみを利用します。最大通信速度は理論値で6.9Gbpsです。
Bluetooth
Bluetoothとは、デジタル機器用の近距離無線通信規格。スマホ、タブレット、パソコン、ワイヤレスイヤホン、PDA、プリンタ、スキャナー、デジタルカメラなどの製品間のワイヤレス通信を行う役割。
近年のBluetoothの通信規格の進化については以下の通りです。
- 2019年:ver.5.1:方向探知機能強化
- 2020年:ver.5.2:高音質・低遅延化
- 2021年:ver.5.3:消費電力の節減
- 2023年:ver.5.4:通信方式の拡張(双方向通信)
バージョンの数値が高いほど、高性能。
バンド
バンドとは、電波の周波数帯を指します。各キャリアで使用しているバンドが異なり、また使用する端末ごとにも対応しているバンドが異なります。
4G(LTE)
4Gバンド | ドコモ | au | ソフトバンク | 楽天 |
---|---|---|---|---|
Band 1 | ◯ | ◯ | ◯ | |
Band 3 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
Band 8 ★ | ◯ | |||
Band 11 | ◯ | ◯ | ||
Band 18/26★ | ◯ | ◯ | ◯ | |
Band 19 ★ | ◯ | |||
Band 21 | ◯ | |||
Band 28★ | ◯ | ◯ | ||
Band 42 | ◯ | ◯ |
5G
バンド | ドコモ | au | ソフトバンク | 楽天 |
---|---|---|---|---|
n28(700MHz~3.5GHz) | ◯ | ◯ | ◯ | |
n77(3.8~3.9GHz) | ◯ | |||
n77(3.9~4.0GHz) | ◯ | |||
n77(4.0~4.1GHz) | ◯ | |||
n78(3.6~3.7GHz) | ◯ | |||
n78(3.7~3.8GHz) | ◯ | |||
n79(4.5~4.6GHz) | ◯ | |||
n257(27.00GHz~27.40GHz) | ◯ | |||
n257(27.40GHz~27.80GHz) | ◯ | |||
n257(27.80GHz~28.20GHz) | ◯ | |||
n257(29.10GHz~29.50GHz) | ◯ |
自分で機種を購入する際は、利用している回線の周波数が対応しているか必ず確認しないと、通信が一切使えない事態に陥るので要注意!
SIM関連
デュアルSIM
デュアルSIMは、1台のスマホに2枚のSIMカードを装着できる機能。
通常のスマホでは1枚のSIMカードしか挿入できませんが、デュアルSIM対応機種なら2枚のSIMカードを利用できます。
デュアルSIMにはさらに4種類に分類されます。
- DSDV (Dual SIM Dual VoLTE):両方のSIMカードで同時にVoLTE(Voice over LTE)通話ができるタイプ。高音質な通話と高速データ通信を同時に利用できます。
- DSDA (Dual SIM Dual Active):両方のSIMカードで同時にデータ通信ができるタイプ。
- DSDS (Dual SIM Dual Standby):待機中のSIMカードも、着信時に通知を受けられるタイプ。通話やデータ通信は、アクティブなSIMカードのみで使える。
- DSSS (Dual SIM Single Standby):1つのSIMカードのみがアクティブで、もう1つのSIMカードは待機状態となるタイプ。通話やデータ通信は、アクティブなSIMカードのみで使える。
2つの電話番号や異なる料金プランを使い分けることもできるため、例えばデータ通信用と通話専用で回線を分けて使う。そんな使い方もできます。
eSIM(イーシム)
eSIM(embedded Subscriber Identity Module)とは、スマホに内蔵されている本体一体型のSIMを指します。
通常のSIMカードは契約するキャリアごとにICカードを発行しますが、eSIMはオンラインで契約者情報や電話番号を書き込むことができるため、オンライン申し込みでも最短1時間以内で使用できるのが特徴です。
nanoSIM(ナノシム)
nanoSIMとは、SIMカードの一種で、物理SIMカードでは最も小さいサイズです。
2012年頃からiPhone5や同時代のAndroidスマホで使われるようになり、現在ではスマートフォンで最も主流なSIMカードサイズとなっています。
その他機能
充電端子
現在スマホの充電端子で主流となっているのは「USB Type-C」と「Lightning」の2種類です。
USB Type-C
AndroidスマートフォンやノートPCなどに広く採用されている規格で、iPhoneも15シリーズから搭載されるようになりました。 端子が楕円形で、上下の向きを気にせず挿せるのが特徴です。
Lightning
Appleが開発した独自の規格。iPhoneやiPad、AirPodsなどのApple製品のみで使用されていますが、今後はApple製品でもUSB Type-Cに順次置き換わっていきます。
なお、急速充電を希望する場合は、PD(Power Delivery)対応の充電ケーブルを選ぶのがおすすめです。
おサイフケータイ(FeliCa)
おサイフケータイとは、スマートフォンでクレジットカードやポイントカード、定期券などをまとめて管理し、支払いができるサービスです。
スマホに内蔵されたFelicaチップ(ICチップ)を使って非接触型(タッチ式)の決済を行います。具体的には、駅の改札ではSuicaなどの交通系IC、コンビニのレジではIDやQUICKPayなどのデータをスマホに入れることでかざして支払いできます。
おサイフケータイに対応した決済サービスは以下の種類があります。
- 交通系IC(SuicaやICOCAなど)
- ID
- QUICPay
- 楽天Edy
- クレジットカードのタッチ決済(VISAなど)
認証機能
スマホの認証機能には指紋・顔・PIN・パスワード・パターンの5種類あります。
指紋認証
登録した指紋でしか認証できないため、不正利用の防止効果が高いです。 環境に左右されにくく、スピーディに認証できます。
顔認証
登録した顔でしかロック解除できません。暗い場所でも利用可能ですが、マスクを外さないと認証できないのがデメリットです
パスワード
4文字以上の英数字を入力して認証します。複雑なパスワードを設定すれば、高いセキュリティ性能になりますが、その分忘れるリスクが高くなります。
PINコード
4桁~8桁の数字を入力して認証します。数字しか登録できないため、セキュリティ性に不安があります。
パターン認証
画面上に表示される9つの点から4つ以上の点を一筆書きで繋ぎ、ロック解除する方法です。パスワードやPINコードと比べて視覚的に分かりやすく、手軽に設定できるのが特徴です。
なお、iPhoneにはパターン認証は搭載されていません。
防水
スマートフォンの耐水性や防水性は、外部からの水の侵入に対する保護の程度をIPで示します。これをIP規格といいます。
IP規格とは、国際的に定められた防水と防塵の性能を表すもの。数字が大きいほど高い性能です(例: IP68は防塵性能が6、防水性能が8を示します)
▽防水性能については以下の通りです。
- IPX6以上は雨やキッチン程度の水濡れに対応
- IPX7以上は入浴中の使用にも耐えられる
- IP68は水中使用可能で、最大30分間、最大水深1.5mまでの水没に耐性がある。
- IPX8のように、「X数字」の場合、数字の大きさが防水性能の高さを表します。
防塵
スマートフォンの防塵性能は、外部からの粉塵や微細な物質の侵入に対する保護の程度を示します。
▽防塵性能については以下の通りです。
- IPX0:特に保護されていない状態
- IPX5:粉塵が内部に侵入せず、若干侵入しても正常運転を阻害しない
- IPX6:粉塵が内部に侵入しない(耐塵形)
最新のスマートフォンは一般的にIPX6以上の防塵性能を持っており、日常的な使用では十分保護されている基準です。
ただし、砂浜や泥の上への直置きなど、極端な環境ではより性能の良い種類を選択する必要があります。
MIL規格
MIL規格とは、アメリカ国防総省が制定したアメリカ軍の資材調達に関する規格。軍隊で使用する物資の基準であり、防水・防塵、重力・加速度などに一定基準を満たす必要があります。
一部のスマホでもMIL規格に対応した端末があります。
▽MIL規格のテスト項目は以下の通りです。
- 低圧 :高度での動作や格納時の評価
- 高温:高温環境での動作と保管に耐えるかの評価
- 低温:低温環境での動作と保管に耐えるかの評価
- 温度変化:急激な温度変化に対する耐性の評価
- 振動:振動による耐久性の評価
- 衝撃 (落下):衝撃に対する耐性の評価
- 降雨:雨や水滴に耐えるかの評価
- 湿度:高温多湿環境での動作と保管に耐えるかの評価
- 塩水噴霧:塩水噴霧に対するコーティングの評価
上記のMIL規格を満たしたスマホについては、「タフネススマホ」と呼ばれ、配達を始め、屋外での利用に適しています。
センサー
スマートフォンにはさまざまなセンサーが搭載されています。
加速度センサー
測定軸に基づいて動きを感知します。歩数計や画面の自動回転、拡張現実アプリなどで利用されます
ジャイロセンサー
スマホの回転スピードを検知します。 VRやARアプリで必要であり、高精度な向き検出に使われます。
環境光センサー
周囲の明るさを検知します。 画面の自動輝度調整に利用されます。
磁気センサー
磁場を検知して方角を示します。 コンパスアプリやARアプリで活躍します。
GPSセンサー
衛星からの信号を受信して位置情報を割り出します。 ナビゲーションや位置サービスに不可欠です。
スマホの機能の向上により、近年は安いエントリーモデルのスマホでも上記の機能は一通り搭載されているものが多く販売されています。
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